「やらせ」の元祖?

[鹿児島県]トシドン

【開催日】2006年12月31日(日)

トシドン

右に見えますのは~、森進一の大ヒット曲『おふくろさん』の歌碑でございま~す。

毎年大晦日の夜、ここ鹿児島県下甑(しもこしき)町では、「トシドン」という伝統行事が執り行われます。

首なし馬に乗ってやってくるといわれる鬼「トシドン」が、子どもたちを叱りに各家庭を訪れるんだそうです。

トシドンは、「良い子にしていたかー」「お母さんの言うこと聞いてるかー」などと恫喝して、日々を無為に過ごしてきた子どもたちに、猛省を促します。次の1年間はきっと良い子で過ごしたい、と自供させる技術は、もはや第一方面機動警ら隊の域。事前に、叱ってほしいことや褒めてほしいことを親御さんにリサーチし、時に褒め、また時にはボロクソに貶めることで、ダラけきった性根を確実に叩き直していくのです。目的のためには手段を選ばないトシドンに、子どもたちは「なんで全部知ってるんだ」とビビリまくります。そんな我が子を不びんに思い、泣き出す母親もいるそうですが、頼んだのは自分です。

事前情報をもとに、「例の歌をうたえ」「あの芸をしろ」と命令するトシドンも。子どもたちは言われるがままに好きな歌や校歌をうたったり、モノマネをしたりするそうです。怖くて泣きながらでも「お前に食わせるタンメンはねぇ!(by次長課長)」なんてやっちゃうに違いありません、ええ。最後にトシドンは「年餅」という大きな餅を振る舞って去っていきます。

え?ワシの好きな歌は『おふくろさん』やって?お父さん、誰も聞いてないですし、むりやりこの町にある歌碑とつなげなくていいんで。

それでは、イベントの詳細を見てみましょう。

  • トシドン
    地元の青年や年配の人が扮するトシドンは、鼻が長く鬼のようなお面に、みのや黒いマントをまとっています。
  • トシドン
    トシドンは、3歳~7歳くらいの子どものいる親御さんから要請を受けてやってきます。予約制なんです。あ、予約は取りやすいっすよ。
  • トシドン
    子どもを散々脅したあとは褒めてやり、最後には「年餅」という餅を子どもの背中の上に置くトシドン。アメとムチです。新宿警察署の尋問もアメとムチだそうです。

【写真提供】薩摩川内市下甑教育生涯学習課

【開催日時】
2006年12月31日(日)
【開催場所】
鹿児島県薩摩川内市(さつませんだいし)下甑(しもこしき)町の各集落
【アクセス】
JR串木野(くしきの)駅より串木野新港まで車で10分、高速船「シーホーク」で手打(てうち)港まで70分
【参加料金】
無料
【問い合わせ】
薩摩川内市役所下甑支所 TEL:099-697-0311
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加奈子の耳より情報

トシドンは玄関や窓、壁を何人もで連打し、子どものいる部屋の窓や入り口からいきなりやってきますが、きちんと靴を脱いでから家に上がる礼儀正しい面もあります。でも、帰るときはお面で足元が見えず、靴を履くのに手こずるそうです。もぞもぞしているトシドン、けっこうかわいいところがあります。